女性が出来る避妊方法として知られているピルですが、低用量ピルとアフターピルの2種類に分けられます。低用量ピルは更に細かく分類わけもされますが、今回はこの2種類の違いとその中でアフターピルを選ぶ人の決め手は何になるのか見ていきます。
同じ避妊効果を持つ低用量ピルとアフターピルですが、あまり詳しく無い人でも分かりやすい大きな違いと言えば服用方法です。低用量ピルは生理開始日から毎日決まった時間の服用が必要で、アフターピルは性行為後72時間以内の服用が必要という違いです。そのため、その手間の無さからアフターピルを選ぶ人もいるでしょう。他にもさまざまな違いがあります。
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同じピルでも含まれている女性ホルモン量が違う
どちらも女性ホルモンを含まれているピルですが、その含有量が違います。低用量ピルは、毎日服用する必要があるので、それほど多くの女性ホルモンは含まれていません。しかし、生理不順の人の女性ホルモン量に比べると多いので飲み始めたばかりの時は、その女性ホルモン量に慣れていないので、副作用として頭痛や吐き気などの症状があらわれる場合があります。
アフターピルは、性行為後に飲んで強制的に生理を引き起こさせる働きをしなければいけないので、多量の黄体ホルモン(女性ホルモン)が含まれています。低用量ピルとは違い、1回の服用で避妊効果を発揮しなければいけない分、身体にも大きな負担がかかり、副作用も強くあらわれる場合もあります。
低用量ピルには避妊以外にも効果が期待できる
毎日飲むことで女性ホルモンを安定的に摂取できるので、ホルモンバランスを整えることにもつながる低用量ピル。それは生理不順の改善や生理痛、月経量の軽減にも効果が期待できます。さらに低用量ピルの避妊効果には、排卵抑制の働きもあることから卵巣の負担も減らすことで卵巣がんや子宮頸がんの予防にも期待されています。
服用方法の違いはあるが、どちらも避妊につながる
始めにもあったように、低用量ピルとアフターピルには服用方法の大きな違いがあります。低用量ピルは生理開始日から毎日服用することで、卵胞を育てるホルモンの分泌を抑えてくれるので排卵の抑制につながります。そして、子宮内膜の増殖の抑制と子宮の粘膜を変化させることで精子の子宮内への侵入を防ぐ効果が期待できます。排卵から抑制してくれるのでより高い避妊効果が得られます。
アフターピルは性行為後に服用することで、体内では排卵後だという錯覚に陥ります。すると排卵抑制効果が働き、妊娠しやすい子宮内環境にしようと子宮内膜が厚くなります。そうすることで子宮内膜の成長を早めながらも、アフターピルの効き目が約1日~2日で切れると、黄体ホルモンの分泌が停止したと体内で認識されます。すると身体のメカニズムとして、黄体ホルモンの分泌停止が生理を引き起こすことになるので、これが強制的に生理を引き起こすという所以です。
低用量ピルとアフターピルの違い
これまでのことから、低用量ピルは高い避妊効果が得られる反面、毎日飲む手間がかかると言えます。また、毎日続けて飲むことで効果を発揮するので副作用は少なく、ホルモンバランスを整えるなど避妊効果以外にも期待が持てる薬です。
強制的に生理を引き起こすことで避妊効果を得られるアフターピルは、性行為後72時間以内に飲むだけで良いのです。しかし、その反面急激なホルモンバランスの変化をもたらすので副作用は強くあらわれやすいです。また、低用量ピルのように避妊効果以外に副効用があるわけではありません。避妊効果に特化している薬です。
避妊効果だけを求めている人がアフターピルを選ぶ
確かに低用量ピルは副作用も少なく、避妊効果を得ながらもホルモンバランスを整えてくれるので使用している女性も多いです。しかし、低用量ピルで効果を得る為には毎日決まった時間に服用しないといけません。そのため、忘れっぽい人やその手間が面倒だと感じる人は低用量ピルの服用を避ける人が増えます。
生理不順の人や生理痛が酷い人は、その症状を良くするために低用量ピルを毎日飲む努力をするはずですが、避妊だけをしたい人は性行為後1回の服用良いアフターピルを選ぶ人が多いでしょう。
しかし、アフターピルの副作用がキツいと感じる人は低用量ピルを毎日飲んで避妊する場合もあります。このことから分かるように、低用量ピルとアフターピルについてしっかり理解し自分自身に合ったものを選ぶことをオススメします。