健康維持や体型維持などさまざまな目的で身体を鍛えている女性はたくさんいます。
筋肉をつけるということは、脂肪が燃焼されやすい身体にしたり免疫力を高めたり、肌がきれいになったりと、数多くのメリットがあります。
そこでよく懸念されているのが、「低用量ピルを飲むと筋肉がつきにくくなる」ということです。
低用量ピルには避妊だけでなく美肌効果やうつ症状の改善など、実にさまざまな効果が期待できるのですが、筋肉をつけたい女性にとって筋肉がつきにくくなってしまうことは避けたいものです。
そこで今回は、低用量ピルが筋肉の発達にもたらす影響について考えてみましょう。
Contents
ピルを飲むと太る?
低用量ピルには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンが含まれています。
エストロゲンは生理開始日~排卵日の低温期に卵巣から分泌されるもので、食欲を増加させる作用があります。
高温期(排卵が起こるとその後)に分泌量が増えるプロゲステロンには、食欲を減退させる働きがある一方で、妊娠に備えて栄養や水分を体内に蓄えようとする作用のためにむくみを発生させやすいのです。
個人差はあるものの、低用量ピルに含まれる女性ホルモンの働きによって太りやすいと感じる女性は多いようです。
ピルを飲むと筋肉がつきにくい?
テキサスA&M大学で行われた研究で、低用量ピルを飲んでいる女性とそうでない女性(計73人)の2つのグループに3回/週の筋トレをさせたところ、ピルを飲まなかったグループが60%も多く筋肉量が増えたそうです。
出典:https://www.refinery29.com/birth-control-pills-muscle-growth-athletes
低用量ピルにはステロイドホルモン(ホルモンのうち、ステロイド誘導体であるものの総称)レベルを変化させる作用があり、それが筋肉の増強にマイナスの影響をもたらす可能性があるようです。
特に低用量ピルは排卵を抑制するため、筋肉の発達に欠かせないテストステロンというホルモンが生理中に増加しにくいと言われています。
とは言っても、ピルの効果や副作用に個人差が見られると同様に、ピルを飲んでいる女性の身体がすべて筋肉の付きにくい状態になるかというのは考えにくいでしょう。
ピルを服用している女性たちの声
「筋トレしながらピルを1年ほど飲んでいますが、確かに以前と比べると筋肉がつきにくくなった気がします。トレーニングの量や時間はあまり変えていないので、やはりホルモンバランスの変化によるものなんだと思います。」
「トライアスロンをやっていて最近ピルを飲み始めたのですが、筋肉にはなんの変化もありませんし、練習や大会でタイムが落ちたということもありません。」
女性アスリートの間でもピルが活躍!
筋肉の発達を抑制する可能性があるとされる低用量ピルですが、日々過酷なトレーニングを重ねている女性アスリートたちにも使用されています。
例えば元サッカー日本女性代表の澤穂希さんは、アメリカでプレーをしていた時代のチームメイトの大半が低用量ピルを服用していたことから、自身も生理痛や生理周期を改善する目的でピルの服用を開始したそうです。
東京の国立スポーツ科学センター(JISS)の調べによると、国内トップアスリートの4割がピルを服用して月経に影響があったと答えています。
筋トレを断念してしまう女性にも効果が期待できるピル
女性ホルモンのバランスが整っていないと、気分の浮き沈みが激しくなったり、やる気がなくなったりして、精神的な不調が普段の行動に悪影響をもたらすこともあります。
せっかく健康と美容のために張りきって筋トレをはじめたのに、ホルモンバランスの影響でやる気が低下し止めてしまったという方もいるでしょう。
そのような時に、低用量ピルを服用することで精神状態を安定させて筋トレを継続することができ、結果的に筋肉がつきやすい身体になれるかもしれません。
超低用量ピルから始めるのもアリ!
それでもやっぱり日々筋トレを行っている女性の中には、低用量ピルの影響を心配する方もいるでしょう。
ピルを試してみたいけど筋肉に影響が出ては困る!という方は、超低用量ピルから始めてみると良いかもしれません。
低用量ピルは傾向避妊薬の中でもホルモン含有量が少ない薬なのですが、それよりさらに少ないのが超低用量ピルです。
超低用量ピルは主に喫煙習慣のある方や低用量ピルで副作用が出たことのある方に服用されていますが、ホルモン含有量が少ない=リスクが少ないので、筋トレに少しでも影響を与えたくないという方にも試しやすいと言えます。