安全に性行為を行いたい場合には、避妊をするというのは欠かせないものであり、その際に使用するのが避妊具といわれる道具や避妊を可能にすることができる薬となっています。
有名な避妊具としてはコンドームが最もポピュラーでありなじみのある道具だと言えますが、これは男性用の避妊具であり女性が使用することは出来ません。
女性の場合はコンドームではなくピルという避妊薬が避妊をするための避妊具となり、それを使用すると避妊が比較的容易にできます。
ピルにも種類があるので、ピルと言うものがどんな避妊薬であるのかを知ることで安全に使用することが出来るようになるといえます。
そのためまずはピルに対する知識をしっかりと得ていくことが重要になってきます。
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ピル(経口避妊薬)について
ピルというのは避妊を可能にしてくれる薬の通称となっており、避妊可能なピルのこと全てを指し示す呼び名です。
ピルは経口避妊薬という類の薬となるため、使う場合には口から飲んで体内に取り込む必要があります。
そうすることでピルが体内に取り込まれることになり、仮に子宮内に射精されてしまった場合でも精子と卵子が受精出来ない環境を作り出すことが出来る薬となっています。
ピルには複数の種類があり、一般的に知られているピルは低用量ピルで毎日飲む避妊薬として使うことが前提の薬ですが、それ以外にも中用量・高用量の緊急避妊薬と呼ばれるアフターピルも存在しています。
基本的には低用量ピルも中用量・高用量のアフターピルも避妊するための仕組みはほぼ同じになっていますが、大きな違いがあるのは成分の用量がまったくことなるため、その服用の仕方にも違いがあります。
用途は同じでも使うシチュエーションが違うため低用量と中・高用量のピルを混同しないようにすることも必要です。
ピルは女性ホルモンである黄体ホルモンという成分が主成分となっており、レボノルゲストレルという黄体ホルモンを体内に取り込むことでホルモンバランスを調整し妊娠しづらくしてくれます。
このホルモンバランスの調整機能により、人工的に避妊出来る体にしてくれるわけです。
低用量ピルについて
低用量のピルと言うのは最も利用頻度の高い経口避妊薬であり、使用し続けると非常に高い確率での避妊を可能にしてくれる薬です。
低用量なので薬に入っているホルモンの量が少ない薬となっており、それを毎日服用することで一定のホルモンバラスを維持することが出来るようになる薬です。
女性が妊娠しやすい体になるためには、卵胞ホルモンと呼ばれるもうひとつの女性ホルモンが関係しており、卵胞ホルモンのバランスが優位になることで排卵を促し子宮内膜の増殖を行うことが出来ます。
これは精子と結びつきやすくするとともに受精した場合の着床もし易い環境を整えていることになります。
しかし低用量ピルを使うと卵子の排卵を抑制し受精できにくい環境になるため、妊娠のリスクが大幅に軽減されることになります。
しかしホルモンバランスを操作することは体への影響も懸念されますし、中・高用量のアフターピルの場合は副作用も大きく使用した際の体へのダメージも大きくなる危険性があります。
しかし低用量ピルと言うのはそういった副作用のリスクを出来るだけ軽減した避妊薬なので、アフターピルのような強烈な副作用の心配も無く使い続けることが出来る薬といえます。
低用量ピルには3種類ある
低用量ピルを使うことで妊娠というトラブルを考えなくても性行為を純粋に楽しむことが可能になりますが、低用量ピルを初めて使用する場合にはどういった種類があるのかを正しく理解しておくことが重要となります。
実は低用量ピルには3種類のピルが存在しており、それぞれに大きな特徴があります。
分類分けすると1相性、2相性、そして3相性があり、基本的な成分は同じですが1・2・3で使う際の使い方が異なっています。
低用量ピルに関しては継続的に飲み続けることが必要な薬なので、1シートが21錠、もしくは28錠という構成で使うことが決まっています。
まず1相性の場合、1シートに含まれているピルのホルモン量が全て均一になっているもので、どの薬を飲んでも同じだけのホルモン量を体内に取り込むことが出来ます。
そのため初めてピルを使用するといった場合に飲み間違いすることが無く使いやすい種類のピルだと言えるでしょう。
2相性の低用量ピルの場合は前半に使用するものと後半に使用するもので1シート内のホルモン量の構成が異なっています。
これは体のホルモンバランスが生理の周期に合わせて変化するため、その状態に合わせて成分比率を調整した薬を飲むことが可能になっています。
1相性と比べるとホルモン量を調整してあるので体への負担がさらに軽くなっているのが特徴だと言えるでしょう。
3相性の低用量ピルは、2相性よりももっと細かくホルモンバランスを調整してあり、1シートのピルの中に3つのホルモンバランスの薬が入っています。
このことにより前半~中期~後半と変化していくホルモンバラスに合わせたピルの利用が可能となるため、限りなく自然に近いホルモンバランスを維持することが可能になります。
そうすることでさらに副作用などのリスクを軽減できますし、ピルの影響による不正出血といった問題も回避することが出来ます。
しかし1相性と比べて2相性は飲み間違えてしまう可能性が高くなることも考えられますし、3相性になればもっと飲み間違えてしまう率が高くなります。
そのため初心者は飲み間違いが起きない1相性、ある程度ピルを使った経験がある人は2相性、ピルを使い続けてる人は3相性を使えば、より一層ピルによる妊娠阻止が確実に行え体への負担も軽減することができるようになります。
いきなり2相性や3相性から始めても効果に関しては問題ありませんが、飲み間違えてしまうとその時点でピルの効果が正しく発揮できないということも少なくないですので、まずは1相性から使い始めて徐々に2相性・3相性へと変えていくのが理想的な低用量ピルの使い方だといえるでしょう。まずは1相性でピル自体に慣れることが必要です。